中国にはたくさんの方言があり、それぞれの地域にそれぞれの方言があります。特に南部の方言の数は多く、僕が旅行した江西省では、一つの町にも関わらず、複数の方言が存在していました。
そして中国語学習者にとっての問題は、それぞれの方言によって発音が全く異る点です。同じ中国人同士でも、自分の出身の方言だと意思の疎通がはかれないほど方言によって発音が異なります。
僕たちが留学中に勉強するのは共通語です。それは自分がどこの地域で留学するにしてもかわりません。大学にはきれいな共通語をしゃべれる先生がいます。だからどこの地域で留学しても「大学内」では共通語をきちんと学ぶことが出来ます。けれど、留学って「大学内」だけで中国語を学ぶものでしょうか
大学で中国語の授業は一日4コマの約3時間だけです。一日のうち3時間だけきちんとした共通語を学べればそれで十分でしょうか。それなら日本で中国語の塾に行くのと同じではないでしょうか。大学の中国人学生と交流したり、町にでかけたり、留学中の様々な場面全てが中国語を勉強する機会であるべきです
ところが、きれいな共通語を話さない地域では、一歩町にでると自分が一生懸命勉強した共通語が通用しません。その地域で暮らす人々は普段その地域の方言で生活しているからです。留学生活では中国語と生活が密着な関係であるからこそ中国語の習得に役立つものです。中国語と生活が切り離されたこういった地域で、はたして効率よく中国語を学べるのでしょうか
やはり、きれいな共通語を話す地域で中国語を学ぶことはとても大事です。 その点長春、ハルビンなどの東北地方は、きれいな共通語を話す地域として定評があります
大学名 |
寮費一日当たり (一人部屋) |
寮費一年(320日) |
寮費一年(日本円換算) |
東北師範大学(吉林省長春市) | 35元 | 1万1200元 | 14万5600円 |
長春大学(吉林省長春市) | 35元 | 1万1200元 | 14万5600円 |
北京大学(北京市) | 120元 | 3万8400元 | 49万9200円 |
北京語言大学(北京市) | 120元 | 3万8400元 | 49万9200円 |
复丹大学(上海市) | 80元 | 2万5600元 | 33万2800円 |
上海財政大学(上海市) | 60元 | 1万9200元 | 24万9600円 |
※2012年4月のデーター
※これらの大学は僕の友達が留学している大学で、友達から寮費の値段を確認しました
長春の寮費は北京、上海に比べてとても安いです。
これは長春の物価の安さが寮費に反映されてるのです
中国の都市間の格差はこのように大きく開いています
ただ、勘違いしてもらいたくないのは、寮費が安いからといって寮の環境が悪いということではけっしてありません。それは、大学紹介のページで寮の写真を見てもらればわかると思います。
この表からもわかるように、どこの都市で留学するかによって、寮費が大きく異なります。ここでは差の一番の大きい長春大学と北京大学を比べてみましょう。
その差は一年間で49万9200円-14万5600円=35万3600円
留学で必要な経費が、寮費によって大きく左右することがおわかりいただけたでしょうか
都市 | タクシー初乗り料金 |
長春 | 6元 |
北京 | 10元 |
上海 | 14元 |
ここではタクシーの初乗り料金を比較してみます。
北京、上海には地下鉄があり、交通網が発達しているので生活の中でタクシーを使う必要がどれだけあるのかはわかりません。
長春には地下鉄はまだありませんが(現在建設中)、バスと電車が町中に巡らされているので、長春でもタクシーを使わなくても生活していけます
ただ、ここでタクシーの初乗り料金を比較したのは、これが都市によって物価が異なっていることが顕著になっている例だと思ったからです。
日本とは比べ物にならないほど中国の都市間格差は大きいのがおわかりいただけたでしょうか
タクシーのみならず、衣食住など、様々な面において物価が異なります。だから、どこの都市で留学するかで留学費用は大きく異なります。
北京、上海、長春で留学している日本人の数、これらの都市に滞在している日本人の数は具体的にはわかりませんが、ただ確実に言えるのは長春で留学する日本人は少ないということです。
2012年4月、東北師範大学で留学する日本人は約25人。長春大学には約10人です。2011年12月に長春で日本人会と呼ばれる、長春にいる日本人(留学生のみならず働いている人も含む)の食事会がありましたが、その参加者は約250人でした。
北京、上海の大学では一つの大学に100人単位日本人がいることも珍しくないそうです。
日本人が少ない、日本人と交流する機会が少ないこと、それは中国語を使うチャンスが多いことを意味します。やはり、周りに日本人が多い環境ではついつい日本語を話してしまいがちです。中国語を学びに留学するなら、日本語をあまり使えない環境に身をおいてみるのはどうでしょうか。
長春の大学の留学生寮は、寮の建物の中に教室があります。東北師範大学、長春大学、吉林大学。どの大学も寮の建物の中に教室があります。ですから、自分の部屋から教室まで授業を受けに行くのに外気に身をさらす必要がありません。エレベーターを待つ時間にもよりますが、1分程度で教室に行けます。とても便利です。これは長春だけではなく東北地方の留学生寮の特徴のようです。冬場の寒さを考慮してくれているのでしょうか
大学名 |
部屋から教室まで の所用時間 (徒歩) |
備考 |
東北師範大学(吉林省長春市) | 約1分 | 教室と寮が同じ建物 |
長春大学(吉林省長春市) | 約1分 | 教室と寮が同じ建物 |
北京大学(北京市) | 約20分 | 大学の規模が非常に大きい |
北京語言大学(北京市) | 約10分 | |
复丹大学(上海市) | 約20分 | 大学の規模が非常に大きい |
上海財政大学(上海市) | 約5分 |
※各大学に留学している友達に聞いた情報です。部屋から寮までおおよそ歩いてどれくらいかを聞いたものであり、正確にストップウォッチを使ってはかったものではありません。
僕たちが留学できる期間には限りがあります。無駄な時間はできるだけ削減して、よりよい留学生活を送りたいものです。
毎日登下校に時間を割くはもったいないです。午前、午後と一日にわたって授業がある時、雨の日雪の日はたまったものではありません。
その点長春に寮はとても快適です。教室までの歩く時間はもちろん、寒い日に厚着をする必要もなく、外気に身をさらす必要もありません。
また、部屋から教室まで歩いて10分程度ならまだそこまで苦労しないと思います。ただ、問題はほとんどの中国留学情報のサイトに寮から教室までの所要時間が記載されていないことです。3分で着く大学かもしれません。20分かかる大学かもしれません。そんなこと留学前に知ることはできません。
部屋から教室までの所要時間が1分のというのは、長春留学の大きな魅力だと僕は思います。
長春の冬は寒いです。1月の平均気温は-17.2℃※です。ですが、部屋の中は暖かいです。これは寮、教室、飲食店、病院、いたるところに暖房器具がきちんと備わっているからです。また、寮の部屋のトイレ、シャワー室にもきちんと暖房が設置されているところも少なくありません。この暖房器具は中国語で「暖気」とよばれるもので、中国北部の地域で用いられているものです。
寮の自分の部屋についている「暖気」は、寮で一括管理されているものです。冬場は一日中この暖房がついていて、部屋の中はまったく寒くありません。長春の冬場はは外こそ寒いですが、一日の中で外にいる時間はあまり多くありません。寮と教室が同じ建物の中にあるので、授業に行くのにも外には出ませんし。
北部に比べて 南部の大学の寮は室温が低い可能性があります。なぜなら、エアコンを一日中つけると電気代が高くなってしますからです。南部の大学には「暖気」はありません。エアコンがあるだけです。そして、エアコンは寮で一括管理というわけではなく、個人で使った分だけ電気代を払うというのが一般的です。北部で使われている「暖気」は一日中ついている上に、お金はかかりません。
上海に留学してる僕の友達は、エアコンを使った時期は一カ月当たり100元から250元ほど使ったそうです。
※2010年1月の気温。参考:『吉林导游』吉林省旅游局